2011年3月30日水曜日

「ePub3.0 標準化の行方」セミナーに参加しました

株式会社エクスイズムが主催するセミナー「ePub3.0 標準化の行方」セミナーに参加しました。概要は以下の通りです:

第一部「ePub 3.0 仕様の行方」についてまとめます。スピーカーはアンテナハウス代表取締役社長 小林徳滋さんです。

ePub おさらい

ePub は IDPF によって策定されている。

ePub 作成ソフトとしては sigil が有名。

Amazon は ePub から Kindle 形式へ変換する KindleGen を公開している。また、ePub 入稿も受け付けている。

ePub の歴史
  • 1999 年: ePub の元になる OEB ができる
  • 2007 年: ePub2.0 策定
  • 2009 年: Sony Reader が採用
  • 2010 年: iBooks (iBook Store) が採用

ePub の現状

日本の電子書籍において、epub の割り合いは小さい。日本における電子書籍の大半は、シャープXMDFボイジャー.book の 2 形式が大勢を占めている。

epub 劣勢の大きな理由は、販売流通ルートが未開拓なため。epub の大手販売店と言える、アップルの iBook Store や GoogleGoogle eブックストアが日本上陸していない。epub を読める Reader に、Sony Reader もあるが、epub の販売はしていない (XMDF 書籍を販売)。

なお、日本の電子書籍市場の大半はコミック (まんが) が占めている。

代表的な Reader — Adobe Digital Editions

Windows で使える代表的なリーダーは Adobe の Digital Editions

実際に使ってみると、「マージンがちゃんと取れない」「配置が綺麗でない」「括弧と文字の間が離れている」「行末が揃っていない」等、不満点が多い。

ePub3.0

ePub3.0 の歴史

ePub3.0 には日本語テキスト・レイアウトに関する要求仕様が含まれた。

ePub 2.0 vs 3.0

EPUB2.0EPUB3.0
Text XHTML1.0 HTML5
Style CSS 2.0 CSS 3.0
Navigation NCX HTML5 nav 要素
SVG 画像として挿入 文章本体で利用可能
MathML オプション 必須

SVG が「文章本体」で利用可能になるということは、コミックなどでの利用が期待される。

ePub3.0 では日本語組版能力も向上: 縦組指定・禁則処理・約物の詰め処理・圏点・ルビ。また、Text to Speach 機能、Media Overlays 機能などオーディオ・ブックとしての機能も強化される。

ePub の市場

ePub 書籍の流通市場は Adobe, Google の書籍サービス開始に依存するだろう。

感想

ePub について、断片的な情報しか私は持っていませんでした。今回のセミナーに参加することで、ePub の現状について大まかに知ることができました。特に ePub の大手流通市場が「ない」というのは、このセミナーで初めて知り参考になりました。

セミナーの最後で ブクログのパブーが ePub 販売をしているそうなので、試してみたいと思いました。

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