2011年5月16日月曜日

「電子書籍 らくらくPACK」下書き — 第 4 回配信

5/9、「電子書籍 らくらくPACK」下書きの第四回が配信されました。同書については、過去記事をお読み下さい。

第四回の内容は「Sigil の概要説明」です。第 3 回にて、ePub における基本情報を提示しました。第四回はその事実を踏まえて、本格的に Sigil を使った ePub 作成方法について解説をします。

各節のタイトルを挙げておきましょう。

  • 4-1 Sigil の概要を知ろう
  • 4-2 文章を貼り付けよう
  • 4-3 文章を構造化しよう
  • 4-4 画像を配置しよう
  • 4-5 スタイルを設定しよう (※)
  • 4-6 目次 (TOC) を設定しよう (※)
  • 4-7 表紙画像とメタ情報を設定しよう (※)

今回のお試し配布版では、※のついた 4-5, 4-6, 4-7 節の内容が省略されています。

4-2, 4-3, 4-4 についてコメントを添えて紹介に変えたいと思います。

4-2 文章を貼り付けよう

本書では、Sigil で直接ドキュメントを作成することはしません。テキスト・エディターで原稿を作成し、Sigil で成型して ePub 化する手順を取っています。そのため、Sigil にテキストを貼り付ける作業が一番最初に説明されています。

Sigil をブックビュー・モードにして、テキストを貼り付けるのがコツです。すると、テキストに応じた HTML ファイルが Sigil によって作成されます。

何故、このような手間を取る必要があるのか? その説明がありません。ただ、その様にすると書いてあるだけです。コラムでも良いですから、説明があると良いと思いました。私が愚考するに

  • Sigil は大量の日本語ドキュメントを扱うと落ちる
  • 下書きは、テキスト・エディターを使う方が書きやすい

ということを考慮しているのではないかと思います。

XHTML ファイルの容量

同名のコラムがあり、ePub リーダーによっては XHTML ファイルのデータ容量の上限が 300 KB になっていることを指摘しています。これは ePub リーダー側の都合であって、ePub の規格にあることではありません。ですが、より多くの人に読んでもらう場合、この事実は頭の隅に置いておく方が良さそうです。

4-3 文章を構造化しよう

Sigil のテキストを貼り付けただけでは、正しい構造化がされていません。例えば、Sigil はどの行が「見出し」かを知ることが出来ません。そこでユーザーは手で HTML ファイルを構造化する必要があります。4-3 では、具体的に以下の構造化について説明しています。

  • 見出しの作成
  • 箇条書きリストの作成
  • 不要な空白の削除
段落について

Sigil はテキストをコピーした時、改行を段落として認識します。つまり、改行があるごとに p 要素でタグ付けします。

しかし、本書では、p 要素を br 要素に置き換えるよう勧めています。どうやら、p 要素を入れることで「空白行」ができることを嫌っているようです。

私は p 要素で空白行を入れるのは「文章構造」ではなく「スタイル」の問題だと思います。空白行が入るのが嫌であれば、p 要素のスタイルを変更すべきで、「段落」という文章構造を重視し残すべきだと考えます。

4-4 画像を配置しよう

特にコメントはありません。

おわりに

本書の様に、原稿と文章成型の工程を分ける場合メリットとデメリットがあります。

メリットは原稿作成時に「テキスト」だけを書けば良いことです。作者は文章作成以外に集中しなくて済みます。

デメリットは、原稿を Sigil で成型後、修正を入れるのが大変なことです。変更量が大きければ、テキスト・エディターで文章修正後、もう一度文章構造形成や画像配置を行なわなくてはなりません。変更量が小さい場合は、オリジナルの原稿と Sigil 側のドキュメント両方に修正を入れることになるでしょう。

現状、本書が示す方法が最良に近いと思いますが、メリット・デメリットがあることを具体的に書いてあると親切だと思いました。

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