2011年4月29日金曜日

Google Apps が新ビジネス・モデルを発表

Google Apps に大きな変化が 2 つ起きています。1 つ目は新ビジネス・モデルの導入。2 つ目は Google アカウントとの統合です。一つずつ説明します。

新ビジネス・モデル

今まで年間契約だった Google Apps for Business が月間契約も可能になりました。年間プランでは 1 アカウント 50 ドル/年だったところ、月間プランでは 1 アカウント 5 ドル/月となります。月間プランの支払いは、月末に行なわれます。月間プランの方が割高ですが、ユーザー数を毎月変化させられるメリットがあります。短期契約社員を雇う会社、入れ替わりの激しい会社にはコスト削減につながるかもしれません。また、スタート・アップ企業に対しても初期コストが低いのが魅力です。小さな IT 系企業にとって、月間プランはおいしいサービスでしょう。

Google Apps のユーザー数制限

Google Apps (無料版) のユーザー数制限が変わります。今まで 50 人だったところが、10 人にまで減らされます。

この変更は、5/10 以降に Google Apps を開始する人 (会社) に適用されます。5/10 以前に Google Apps を使い始めた人達は、今まで通り無料で 50 人まで人数を増やせます。5/10 以降、10 人を越える人数で Google Apps を開設する場合は、Google Apps for Business を使う必要があります。

私も Google Apps を使っているので、人ごとではありません。幸い影響はなさそうですが、Google Apps に興味を持っていて、10〜50 人前後の人数ならば、とりあえず Google Apps を始めておくのが良さそうです。

Google アカウントの統合

最近、Google Apps アカウントと Google アカウントが統合されたようです。同じ Cookie が使われる様になり、一つのブラウザーで Google Apps のサービスと Google アカウントのサービスを同時に使うことが出来なくなりました。この結果、個人用の Gmail と会社の Google Apps 版 Gmail を一つのブラウザーで開けなくなりました。一旦ログアウトするか、(対応していれば) マルチ・アカウント機能を使うしかありません。

私は一つのブラウザーで使い分けることを諦めました。個人用 Google アカウントは Google Chrome で、Google Apps (つまり akaato.com 用) アカウントは Firefox 4 で使い分けています。

過渡期の混乱とは思いますが、Google さんには早めに良い解決策を提示して欲しいものです。

2011年4月28日木曜日

ePub 2.0 ことはじめ (4) Makefile を作る

の続きです。

ePub の中身 (XHTML) をいじれる様になりました。これからどんどん編集することでしょう。するとそのたびに ePub ドキュメントを作り直さなくてはなりません。具体的には、zip コマンドを何度も打ちます。これから、ePub をいじりたおすことを考えると頭が痛くなりますね。

ePub 作成の自動化

Makefile を使って ePub 作成の自動化を行ないます。Makefile は、「シンプルな ePub を作る」で紹介した zip コマンドを自動実行します。やり方は簡単。コマンドラインに以下のコマンドを打ちこむだけです。

$ make

古い ePub ドキュメントが削除されて、zip コマンドが実行され、一つ上のディレクトリー (フォルダー) に epub-first-step.epub が出来上がります。

Makefile

次の内容を Makefie というファイル名で mimetype ファイルと同じ所に置きます。

DOC = epub-first-step
all: epub

ZIP = zip
epub: clean ../$(DOC).epub

../$(DOC).epub:
 $(ZIP) -0 $@ mimetype
 $(ZIP) -r $@ * -x mimetype -x Makefile

#
# clean
#
RM = rm -f
clean:
 $(RM) ../$(DOC).epub
 $(RM) *~
 $(RM) OEBPS/*~

このコードをコピーする時に、DOC の値 (赤字で書かれた epub-first-step の部分) を貴方の ePub ファイル名に修正することを忘れないで下さい。

おわりに

この Makefile は ePub 初心者な私が作った、まだ未熟なものです。この先、ePub が複雑になれば Makefile も修正されるかもしれません。

Makefile (及び epub-first-step の全てのソース) は GitHub に置いてあるので、時々そちらもご覧になって下さい。

次回は、目次の作成を行ないます (え、もう第一回で作っちゃったって? ううん、少しだけ詳しく書きます)。

2011年4月27日水曜日

ePub 2.0 ことはじめ (3) HTML 整形

の続きです。

本エントリーでは、「こんにちは」としか表示させなかった ePub ドキュメントを、もっと実用的にしてみます。

さて、ePub 2.0 では XHTML 1.1 でドキュメントを書きます。ただし、全ての XHTML 1.1 要素が使えるわけではありません。以下に、XHTML 1.1 で利用可能な要素を書き出します (ref. Open Publication Structure (OPS) 2.0.1 v1.0 #2.2.1 Required Mudele)。

ePub 2.0 で利用可能な XHTML 1.1 要素
XHTML 1.1 モジュール名 要素名
Structure body, head, html, title
Text abbr, acronym, address, blockquote, br, cite, code, dfn, div, em, h1, h2, h3, h4, h5, h6, kbd, p, pre, q, samp, span, strong, var
Hypertext a
List dl, dt, dd, ol, ul, li
Object object, param
Presentation b, big, hr, i, small, sub, sup, tt
Edit del, ins
Bidirectional Text bdo
Table caption, col, colgroup, table, tbody, td, tfoot, th, thead, tr
Image img
Client-Side Image Map area, map
Meta-Information meta
Style Sheet style
Link link
Base base

表を見て分かる通り、script, noscript 要素が載っていません。script 要素はテキストを書き換えるために利用できず、スクリプトの実行も非推奨とされています。script 要素なしでもドキュメントとして成立するよう、気を付ける必要がありそうです。

それでは、実際に XHTML 1.1 で文章を作成してみましょう。

chap1.xhtml の作成

まずファイル名が hello.xhtml だと座りが悪いので、chap1.xhtml に変更します。

そしたら、XHTML 1.1 要素を使ってテキストを書いてみます。ソースコードが長くなってしまったので、先に結果のスクリーン・ショットをお見せします。iPad の iBooks で確認しました。

ハイパーリンクをタップすると、ちゃんとジャンプすることを確認しました。

おしまい

どうですか? スタイル・シートを適用していないので、見た目が HTML そのまんまですけど、XHTML で ePub 作成できることを実感して頂けたでしょうか?

次は、少し横道に逸れて Makefile を作ってみます。

ソースコード

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 STRICT//EN"
   "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
<head>
  <title>第一章 ことはじめ</title>
</head>
<body>
  <h1>利用可能な要素</h1>
  <p>ePub 2.0 で利用可能な要素を紹介します。</p>
  <h2 id="structure">構造要素</h2>
  <p>html, head, title, body 要素が使えます。HTML の基本ですね。</p>
  <h2>テキスト</h2>
  <h3>ヘッダー</h3>
  <p>h1, h2, h3, h4, h5, h6 のヘッダー要素が使えます。このテキストでは、h1, h2, h3 を使っています。</p>
  <h3>段落</h3>
  <p>p 要素を使って段落を作ります。</p>
  <p>段落内で改行が必要な場合は br 要素が使えます。</p>
<p>例:</p>
<pre>
  段落の中で&lt;br/&gt;
  改行
</pre>
<p>結果:</p>
<p>段落の中で<br/>
改行
</p>
  <h3>引用</h3>
  <p>blockquote 要素を使って、引用ができます。</p>
  <blockquote>
    <p>三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、<br/>
七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、<br/>
九つは、死すべき運命の人の子に、<br/>
一つは、暗き御座の冥王のため、<br/>
影横たわるモルドールの国に。</p>
<p>一つの指輪は、すべてを統べ、<br/>
一つの指輪は、すべてを見つけ、<br/>
一つの指輪は、すべてを捕らえて<br/>
くらやみのなかにつなぎとめる。<br/>
影横たわるモルドールの国に。 </p>
  </blockquote>
  <p>q 要素を使って、インライン引用もできます: <q>一つの指輪は、すべてを統べ</q> </p>
  <p>cite 要素を使って、引用元を表現することもします: <cite>指輪物語</cite>より引用</p>
  <h3>そのまま</h3>
  <p>pre 要素を使って、そのまま表示することが可能です。</p>
<pre>
#define MAX 100
int main(void)
{
  int sum = 0;
  for (int i=0; i&lt;MAX; i++)
  {
     sum += i;
  }
  return 0;
}
</pre>
  <h3>強調</h3>
  <p>より強い強調に <strong>strong</strong> 要素を、普通の強調に <em>em</em> 要素が利用可能です。</p>
  <h3>その他</h3>
  <p>特に意味のないブロック要素に div、インライン要素に span 要素が使えます。</p>
  <h3>意味のある単語</h3>
  <ul>
   <li>dfn 要素: <dfn>定義</dfn>を表す</li>
   <li>code 要素: <code>int i=0</code> の様にプログラム・コードを表す</li>
   <li>kbd 要素: <kbd>C-x C-s</kbd> の様にキーボード入力を表す</li>
   <li>samp 要素: <samp>samp</samp> 要素の様にサンプルを表す</li>
   <li>var 要素: <var>PATH</var> の様に変数を表す</li>
  </ul>
  <h3>省略文字</h3>
  <p>abbr 要素を使って省略文字を表現できます: <abbr title="World Hospital Orginization">WHO</abbr></p>
  <p>acronym 要素も利用可能です: <acronym title="Hyper Text Markup Language">HTML</acronym></p>
  <h2>ハイパーリンク</h2>
  <p>a 要素も利用可能です。「<a href="#structure">構造要素</a>」へジャンプしてみましょう。</p>
  <h2>リスト</h2>
  <p>番号なしリストの ul と、番号ありリストの ol、そして定義リストの dl が利用可能です。</p>
  <ul>
   <li>Windows</li>
   <li>Mac</li>
   <li>Linux</li>
  </ul>
  <ol>
   <li>Windows</li>
   <li>Mac</li>
   <li>Linux</li>
  </ol>
  <dl>
   <dt>Windows</dt>
   <dd>Microsoft 社の OS</dd>
   <dt>Mac</dt>
   <dd>Apple 社の OS</dd>
   <dt>Linux</dt>
   <dd>Linuxs 氏による Unix OS のクローン</dd>
  </dl>
  <h2>修正</h2>
  <p>del 要素を使って<del>削除項目</del>を表せます</p>
  <p>ins 要素を使って<ins>追記項目</ins>を表せます</p>
  <h2>テーブル</h2>
  <p>いっちょ、テーブルを作ってみましょう。</p>
  <table>
    <caption>力の指輪 〜 指輪物語</caption>
    <thead>
      <tr><th>種族</th><th>指輪の数</th></tr>
    </thead>
    <tbody>
      <tr><td>エルフ</td><td>三つ</td></tr>
      <tr><td>ドワーフ</td><td>七つ</td></tr>
      <tr><td>人間</td><td>九つ</td></tr>
    </tbody>
  </table>
  <h2>説明省略</h2>
  <p>object, img, bdo, area, map, meta, style, link, base の説明は省略します。</p>
  <p>b, i, tt, big, small 要素の利用は控えて CSS を使いましょう。</p>
  <p>上付き<sup>1</sup>や下付き<sub>2</sub> は必要に応じて使いましょう。</p>
  <hr/>
  <p>hr 要素はよく分からんです。</p>
</body>
</html>

2011年4月26日火曜日

「電子書籍 らくらくPACK」下書き — 第 3 回配信

4/25、「電子書籍 らくらくPACK」下書きの第三回が配信されました。同書については、過去記事をお読み下さい。

第三回の内容は「電子書籍作成の準備」です。ePub の構成と ePub 作成に必要になるファイルが解説されています。ePub 作成は第一回で触れたように、Sigil を使います。従って、Sigil が自動作成するフォルダー構成をもとに解説が行なわれます。content.opftoc.ncx ファイルは Sigil が自動作成するので、中身については説明がありません。

ePub を手で作った方はご存じの通り、zip 圧縮にコツが要ります。第三回では、この点を言及していますが Sigil がやってくれているので問題ないとしています。全て Sigil 任せにしないで、zip 圧縮のコマンド解説を入れて欲しいものです。もちろん、コラムか付録の様な本編とは関係のないところで良いですが。

ePub の構成の説明が終わると、Sigil を含めたアプリのインストール方法が解説されます。

第三回の内容は盛り沢山で、画像編集アプリ・原稿のチェックポイント・テキストファイルの作成例・画像ファイルのサイズ変更・XHTML の基礎解説・CSS の基礎解説が続きます。ただし、今回の配布では、後半部分が目次のみとなっています。

本文を読んで参考になった点を紹介します:

  • SVG 対応のリーダー・アプリは多くない
  • ePub 2.0 では縦書きや複雑なレイアウトを設定できない
  • ブログを書くよりも、原稿のチェックを綿密・多角的に行なう
  • 原稿ファイルはテキスト・エディタで用意 (大量のファイルに対して Sigil が落ち易いからか?)

2011年4月22日金曜日

iBooks 以外の ePub リーダー

ePub ドキュメントを見るためのツール、いわゆる「ePub リーダー」もしくは「ePub ビューワー」ですが、iBooks だけが全てではありません。そこで、ePub リーダーの比較をしているサイトがありましたので紹介します。

現在だけで 17 の ePub Reader が比較対象として上がっています (iBooks を除く)。

本ブログでも、このサイトで紹介されている Firefox 用 ePub Reader EPUBReader をレビューするつもりです。どうぞご期待下さい。

2011年4月20日水曜日

ePub 2.0 ことはじめ (2) iBooks で確認

の続きです。

本エントリーでは、先のエントリーで作成した ePub を iBooks で確認する方法を紹介します。iBooks に自作した ePub を渡すには、大きく分けて二通りの方法があります。一つは iTunes 経由で ePub を渡す方法。もう一つはウェブ上からダウンロードする方法です。

iTunes 経由

  1. iTunes を起動して、「ブック」を開く
  2. ePub ドキュメントを「ブック」にドラッグ & ドロップ
  3. iPhone/iPad を iTunes と同期させる

以上で、iBooks に ePub ドキュメントを登録することができます。

ウェブ経由 (1) ダウンロード

  1. ウェブ上に ePub ドキュメントをアップロード
  2. iPhone/iPad 上の Safari から、アップロードした ePub のリンクをクリック
  3. 新しいウィンドウが開いて、ファイルを開く方法の選択肢が現れる
  4. 「iBooksで開く」を選択する

以上で、iBooks に ePub ドキュメントを登録することができます。

ウェブ経由 (1) Dropbox

ウェブ・ストレージ Dropbox を使う方法です。この方法が一番手軽で便利です。

準備

Dropbox のアカウントを取得し、Dropbox アプリを iPhone/iPad にインストールしておきます。

Dropbox から iBooks へ
  1. Dropbox に ePub ドキュメントをアップロード
  2. iPhone/iPad の Dropbox アプリを起動
  3. アップロードした ePub ドキュメントを選択
  4. Dropbox で ePub ドキュメントを開けない旨、メッセージが出る
  5. 「外部アプリへ送る」ボタンをタップし、iBooks を選択

以上で、iBooks に ePub ドキュメントを登録することができます。

iBooks で確認

iPhone の iBooks で ePub ドキュメントを見てみます。

iBooks アプリを開くと、「ePub 2.0 ことはじめ」がありますね。

ePub ドキュメントを開くと、「こんにちは」と表示されました。いい感じです。

「ライブラリ」の隣のボタンをタップすると、目次ページが開きます。第一章が「サンプル」になっています。

ドキュメントの中身を読めましたし、目次も確認できました。先日、作った ePub が iBooks で読めたわけです。確認作業は終了です。

次回は、xhtml をいじってもう少しまともな ePub ドキュメントを作ってみましょう。

2011年4月19日火曜日

GitHub 最初の設定 — ssh 鍵の登録

の続きです。先のエントリーで、GitHub にアカウントを作成しました。

本エントリーでは、GitHub にリポジトリーを作ります。そのためには ssh の公開鍵の登録が必要です。まずは ssh の公開鍵を作り、続いてリポジトリーを作ってみます。尚、本エントリーでは git コマンドは知っているものとして話を進めます。

ssh 公開鍵の作成

ssh-keygen コマンドを使って、ssh の鍵を作ります。

$ ssh-keygen -t rsa -C "epub@akaato.com" -f ~/.ssh/id_epub
Generating public/private rsa key pair.
Enter passphrase (empty for no passphrase): 
Enter same passphrase again: 

パスフレーズ (ssh 鍵用のパスワードみたいなものです) を聞かれるので、入力します。

次の様な出力が出れば成功です。

Your identification has been saved in /home/masayuki/.ssh/id_epub.
Your public key has been saved in /home/masayuki/.ssh/id_epub.pub.
The key fingerprint is:
14:de:e0:46:aa:ae:68:38:40:a4:bd:06:58:d6:a5:d0 epub@akaato.com
The key's randomart image is:
+--[ RSA 2048]----+
|  .o .. +        |
| .o.E. = +       |
|++  . . = .      |
|+..  . o         |
|.. ..   S        |
|. o.             |
|o.  .            |
|oo .             |
|o..              |
+-----------------+

ssh の秘密鍵が ~/.ssh/id_epub に、公開鍵が ~/.ssh/id_epub.pub に保存されました。

GitHub に ssh の公開鍵を登録する

GitHub にログインして、「アカウントの設定」をクリックします。「SSH公開鍵」というタブがありますから、それをクリックします。

「別の公開鍵の追加」をクリックします。タイトルとキーの入力画面が現れます。公開鍵には適当に名前を付けます。私は Linux の公開鍵を登録したので、「linux」というタイトルを付けました。「キー」には公開鍵を入力します。公開鍵は id.pub という名前で保存されています。今回、私は「~/.ssh/id_epub.pub」という公開鍵ファイルを作りました。このファイルを開いて、中身を全部コピーします。最後に「キーの追加」をクリックします。

下のスクリーン・ショットの様になれば、OK です。GitHub に ssh の公開鍵の登録が終了しました。

リポジトリーを作る

GitHub のトップページに戻って、「新しいリポジトリ」をクリックします。

「プロジェクト名」を入力します。ここでは、「epub-first-step」としましょう。「説明」や「ホームページ」は適当に入力します。入力を終えたら、「リポジトリを作る」をクリックします。これで、リポジトリーが作成されました。

続いて、リポジトリの使い方や初期設定の説明が現れます。その通りにやれば、よいです。

私の場合、変則的ですが次の様にコマンドを入力しました。

~/epub $ mkdir epub-first-step
~/epub $ cd epub-first-step/
~/epub/epub-first-step $ git init
Initialized empty Git repository in /home/akaato/epub/epub-first-step/.git/
~/epub/epub-first-step $ git config user.name "Ato Aka"
~/epub/epub-first-step $ git config user.email epub@akaato.com
~/epub/epub-first-step $ git remote add origin git@github.com:akaato/epub-first-step.git

初期設定はこれでお終いです。git の初期化、ユーザ名・メアドの登録、GitHub の URL 登録をしています。

さあ、実際に GitHub にファイルをアップしてみましょう (これを push と呼びます)。

~/epub/epub-first-step $ touch README.textile
~/epub/epub-first-step $ git add README.textile 
~/epub/epub-first-step $ git commit -m 'first commit'
[master (root-commit)]: created aeef1f3: "first commit"
 0 files changed, 0 insertions(+), 0 deletions(-)
 create mode 100644 README.textile
~/epub/epub-first-step $ git push origin master
Counting objects: 3, done.
Writing objects: 100% (3/3), 207 bytes, done.
Total 3 (delta 0), reused 0 (delta 0)
To git@github.com:akaato/epub-first-step.git
 * [new branch]      master -> master

README.textile という空ファイルを作り、git の管理下に置きました。これを origin の master ブランチに push します。origin は GitHub の URL の別名です (先の設定で git add remote コマンドを使って設定しましたね)。

さあ、画面を更新してみましょう。

README.textile ファイルが追加されているのが見てとれます。成功です。リポジトリーを作って、そこにファイルをアップすることができました。

2011年4月18日月曜日

ePub 2.0 ことはじめ (1) シンプルな ePub を作る

「ePub 2.0 ことはじめ」と題して、ePub 2.0 ドキュメントを作ってみます。どうぞ、よろしく。

はじめに

ePub 作成用のツールは色々出ていますが、「ePub 2.0 ことはじめ」ではエディターを使ってベタベタに ePub を作ります。これは、私が ePub 作成ツールが苦手なのと、ePub 2.0 の仕様について勉強したいためです。

なお、「ePub 2.0 ことはじめ」で作る ePub のソースコードは GitHub で公開しています。よろしければ、ご自由にお使い下さい。

シンプルな ePub を作る

まずは、ePub ドキュメント用のディレクトリー (epub-first-step) を作ります。一つの ePub ドキュメントに関するファイル (テキスト、画像 etc.) は全てこのディレクトリーの中に置きます。

$ mkdir epub-first-step
$ cd epub-first-step

ePub を作るのに最低限必要なファイルは次の 4 つです。

  • mimetype
  • META-INF/container.xml
  • OEBPS/content.opf
  • OEBPS/text.html

と、そのはずなのですが、iBooks で開こうとすると「本のフォーマットエラー この本はフォーマットが認識出来ないか無効なため開けません」というエラーが出て ePub ファイルが開けません。どうやら、目次ファイルも必要なようです。

  • OEBPS/toc.xml
mimetype

mimetype ファイルは、このドキュメントが ePub 形式であることを教えるためのファイルです。次の様にして作ります。

$ echo application/epub+zip > mimetype
META-INF/container.xml

META-INF というディレクトリーの中に container.xml というファイルを作ります。container.xml ファイルの目的は、どこに ePub ファイルの中身を説明したファイルがあるかをビューワー・アプリに教えることです。

まず、META-INF ディレクトリーを作ります。

$ mkdir META-INF

META-INF/container.xml の中身は次の様になります:

<?xml version="1.0"?>
<container version="1.0" xmlns="urn:oasis:names:tc:opendocument:xmlns:container">
  <rootfiles>
    <rootfile full-path="OEBPS/content.opf"
       media-type="application/oebps-package+xml" />
  </rootfiles>
</container>

rootfile 要素の full-path 属性に opf ファイルへのパスを書きます。ここでは「OEBPS/content.opf」を指定しました。

mimetype ファイルと META-INF ディレクトリー (とその中身) の名前は予約語です。変更してはいけません。

opf ファイル

opf ファイルには、ePub (正確には zip ファイル) が含んでいるファイルの一覧とその説明を書きます。opf ファイルのファイル名は「書名.opf」か「content.opf」としているものを多く見かけます。ここでは「OEBPS/content.opf」とします。

ディレクトリー名は OEBPS とします。OEBPS とは ePub 規格の前身に当たる電子書籍フォーマットです。仕様では「OEBPS」でなくとも良いはずですが、歴史的な経緯で、OEBPSフォルダじゃないとちゃんと読み込んでくれないePubリーダーも存在するらしいので念のために OEBPS にします。

さあ OEBPS ディレクトリーを作ります。ePub ドキュメントの中身は、このディレクトリーの中に置く様にします。

$ mkdir OEBPS

今回は、hello.xhtml というサンプル・テキストだけ置くことにしましょう。この場合 opf ファイルの中身は次の様になります:

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<package version="2.0" xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf"
  unique-identifier="BookId">
  <metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
     xmlns:opf="http://www.idpf.org/2007/opf">
    <dc:title>ePub 2.0 ことはじめ</dc:title>
    <dc:creator opf:role="aut">絳アト</dc:creator>
    <dc:language>ja</dc:language>
    <dc:identifier id="BookId">urn:uuid:akaato.com20110418</dc:identifier>
 </metadata>
 <manifest>
   <item id="ncx" href="toc.ncx" media-type="text/xml" />
   <item id="hello" href="hello.xhtml" media-type="application/xhtml+xml" />
 </manifest>
 <spine toc="ncx">
   <itemref idref="hello" />
 </spine>
</package>

metadata 要素の中に、書名・著者名・言語を入れます。重要なのは dc:identifier 要素で、世界で唯一の文字列にしなければなりません。本であれば ISBN を使うと良いでしょう。私は、自分のサイト名と作成年月日を ID にしました。

manifest 要素には、中に入っている全てのファイルとそのファイルの種類 (media-type) を指定します。今回は、XHTML ファイルと目次ファイルの二つです。item 要素には必ず id 属性を付けます。この id 属性は、次の spine 要素の中で使うことになります。

spine 要素では、ファイルを読む「順番」を上から順に指定してゆきます。今回はファイルが一つなので順番は関係ありませんが...。idref 属性で指定する ID は、先の manifest 要素の中の item 要素で書いた id 属性値です。

ncx ファイル

ncx ファイルは目次のためのファイルです。今回は「toc.ncx」というファイル名にしました。toc.ncx ファイルの中身は次の通りです:

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ncx xmlns="http://www.daisy.org/x3986/2005/ncx/" version="2005-1">
  <head>
    <meta name="dtb:uid" content="akaato.com20110418"/>
    <meta name="dtb:depth" content="1"/>
    <meta name="dtb:tatlPageCount" content="0"/>
    <meta name="dtb:maxPageNumber" content="0"/>
  </head>
  <docTitle>
    <text>ePub 2.0 ことはじめ</text>
  </docTitle>
  <navMap>
    <navPoint id="hello" playOrder="1">
      <navLabel>
        <text>サンプル</text>
      </navLabel>
      <content src="hello.xhtml"/>
    </navPoint>
  </navMap>
</ncx>

見た目の通りですが、1 つ注意点。<meta name="dtb:uid" content="akaato.com20110418"/> で、content 属性の値には、content.opf ファイルの dc:identifier 属性の値から先頭の「urn:uuid:」を除いた文字列を入れます。

XHTML ファイル

本当にシンプルな XHTML ファイルを作りましょう。ファイル名は hello.xhtml です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 STRICT//EN"
   "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
<head>
  <title>こんにちは</title>
</head>
<body>
  <p>こんにちは</p>
</body>
</html>

ePub の作成

ePub を作るファイルは全て用意できました。それでは、これらのファイルを固めて ePub ファイルにしましょう。

ePub は zip で固めます。注意点は 2 つ。1 つ目は圧縮しないこと。2 つ目は mimetype ファイルを zip アーカイブの先頭に置くことです。以下のコマンドを実行すると、上記の条件を満たした zip ファイルが出来上がります。

$ zip -0 ../epub-first-step.epub mimetype
$ zip -r ../epub-first-step.epub * -x mimetype

次回は、ePub ビューワーで作成した ePub ドキュメントを見てみましょう。

参考サイト

2011年4月17日日曜日

「電子書籍の作り方」を読みました

「電子書籍の作り方 — EPUB、中間ファイル作成からマルチプラットフォーム配信まで」を読みました。出版社は技術評論社。全 239 ページ。2010 年 12 月 9 日発売。著者は境祐司さん。境さんの Twitter アカウントは @commonstyle です。

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本書の第一章は、電子書籍の歴史を丁寧に説明しています。ePub の成立について詳しく知ることができます。ePub 以外のフォーマット (.book や XMDF) の発展も知ることができます。現在、流通している電子書籍のメイン・フォーマットについて、最低限に知識を得ることができます。

第二章は電子書籍リーダーの汎用的な機能説明です。主に ePub と AZW (Amazon の Kindle の形式) を対象にしたリーダーの説明をしています。これは、おそらく ePub リーダーと Kindle が現在最も電子書籍リーダーとして進んでいるからでしょう。

第三章は ePub を作成するためのフローチャートを説明しています。本書のキモは、この第三章でしょう。

第三章では、代表的な ePub 作成ソフトを二つ紹介して、その欠点を指摘しています:

  • Adobe InDesign は正しい ePub 出力をしない
  • Sigil は大量のドキュメント (特に日本語) を扱うと落ちる

これでは ePub を作成できないので、境さんなりの「暫定ワークフロー」(InDesign と Sigil を使い分けるフロー) が紹介されています。現状、ePub をちゃんと作ろうと思ったら、この暫定ワークフローは必読ではないでしょうか?

第四章はテキスト・素材について。境さんは複数の電子書籍フォーマット対応を睨む必要を説いています。そのためには、ワンソース・マルチユースでなくてはなりません。肝心のワンソースですが、何を中心に持ってくれば良いのか? どういう注意をしなければいけないのか? これらの解説をしています。

第五章から第七章は具体的な ePub 作成について書かれています。第三章で紹介したワークフローに沿った上で、InDesign や Sigil をどの様に駆使するのかが書かれています。例えば、見出しレベルの設定、改ページの追加、プロトタイプの作成方法、マルチ・デバイス対応への知識などです。

レビュー

電子書籍の本としては新しめで、最新情報を多く取り込んでいる点が光ります。

対象とする読者は、電子書籍を知らない人から、ePub を実践的に作ってみようという人まで幅が広いです。対象読者層の広さにもかかわらず、内容はよくまとまっています。

本書を読んで苦々しく思うのは、二点です。一点目は ePub 作成が簡単でないこと。二点目は作った ePub を販売する方法が説明されていないこと。二点とも本書が悪いのではなく、現在の ePub 作成における難しさが前に出ている結果です。一点目は InDesign や Sigil 自体に問題のあることですし、二点目は Apple の iBook Store や Google の eBookstore が (日本で) サービス・スタートしていないことが原因です。

現状、ePub 作成における「良書」と思います。ePub の進化に合わせて改版されることを期待します。

2011年4月16日土曜日

Github にアカウントを作りました

これから当ブログでプログラムを書いたり、公開可能な ePub ドキュメントを書くと思います。その公開先として github を選びました。

github は Git という SCM (ソースコード管理システム) のホスティングをするサービスです。使い方はおいおい説明するとして、アカウントの作り方をまとめました。

アカウント作成

まず GitHub のページに行きます。「このサイトを日本語で利用しますか?」と聞かれるので「はい」と答えます。

右上に「料金・登録」というボタンがあるので押します。

github - register

「プラン・価格」一覧が出ます。無料プランでは非公開レポジトリーが作れません。でも、月 $7 (年 $84) も払えないので、無料プランが無難ですね (;_;)。非公開なレポジトリーが必要になったら、その時はその時で... 「無料アカウントの作成」ボタンをクリックします。

github - plans

登録画面です。ユーザー名、メール・アドレス、パスワードを入力して「アカウントの作成」をクリックします。この時、メール・アドレスは Gravatar に登録したメール・アドレスを入力します。

github - your account information

以上で GitHub のアカウント作成はおしまいです。ダッシュボード画面に移ります。見て下さい。「akaato さんこんにちは」の隣に Gravatar で登録した写真が出ています。いい感じですね。

github - hello, github

私の GitHub での活動は、以下のページから見ることができます (まだ空ですが)

関連エントリー

2011年4月15日金曜日

Gravatar に登録しました

Gravatar というサービスがあります。これは自分のメール・アドレスとプロフィール写真の対応付けをしてくれるサービスです。Gravatar に対応したサービスに、メアドを入力すると自動的にプロフィール写真が表示される様になります。

対応している代表的なサービスはブログの Wordpress.com です。Wordpress ブログにコメントする時、メアドを入力しておくと Gravatar の写真がコメントに表示されます。

他には、ソースコード・ホスティング・サービスの github があります。こちらでも、自分のプロフィールやコメントに Gravatar の写真が使われます。今後、このブログで書いたテキストやツールを github で公開しようと思ったので、先がけて Gravatar の登録を行ないました。

ちなみに、私の Gravatar は akaato - Gravatar プロフィール で見ることができます。Blogger のプロフィールと同じのを使っています。

登録について

Gravatar のサイトは日本語化されています。メール・アドレスを登録し、あとはサイトの指示通りに従ってゆけば OK です。

2011年4月13日水曜日

EPUB3コンテスト説明会のまとめ #epubcon

昨日 (4/12)、EPUB3 コンテストの説明会に参加しました。簡単ではありますが、説明会の内容をまとめます。

作品について

ePub 3 拡張部分を持つことが必須要件です。例えば、「縦書き」にするだけでも ePub 3 拡張として認められます。

作品は、ePub 3 拡張の技術部分を評価します。

コンテンツは著作権フリーな文書を使って下さい。青空文庫Wikimedia、もしくは自分で書いた文書を使って下さい。

投稿について

epub 拡張子ではなく、zip で固めます。というのも、ePub 3 に対応したビューワーが存在しないためです。

公式ページに投稿ページへのリンクがあります。

投稿された zip ファイルは公開されます。公開されるということは、他の人が中身を見ることが可能ということでもあります。しかし、投稿履歴を見ればどのソースがオリジナルか分かるので、盗作の心配はないでしょう。投稿した作品に対して、周りからコメントをもらうことも可能です。

コメントを受けて、zip ファイルを更新することも可能です。審査は、あくまで 5 月末日にアップされた作品に対して行なわれます。

早めに投稿して、沢山コメントをもらって、作品をブラッシュアップさせていって欲しいとのことです。

なお、作品は 1 人 5 作品まで投稿可能です。

Webkit

ePub 3 の確認は、Webkit の最新版で行ないます。Webkit の最新版は 2 つの入手ルートがあります:

なお、WebKit Nightly Builds は Mac 版の方が Win 版よりも先行しているそうです。

vendor-prefix

CSS 3.0 の仕様を使う場合、vendor-prefix を付けて欲しいとのことです。例えば、縦書きする場合、次の CSS 3.0 記述をします:

vertical-rl

しかし、実はこれだけでは縦書きになりません。次の様に書きます。

vertical-rl
-webkit-vertical-rl

参考ページ

審査員について

  • 村田真さん: 日本語策定に尽力
  • 木田泰夫さん: Apple 本社で WebKit の日本語回りのプロジェクトに携る
  • 石井宏治さん: アンテナハウス社から W3C の日本語仕様策定に携る

質疑応答

Q. JavaScript は OK?

A. OK です


Q. UUID は更新ごとに変更が必要ですか?

A. 変更しなくても良いです


Q. Makefile や shell script を zip に含めても良い?

A. OK です

おしまい

以上、一時間未満の説明会でしたが内容をまとめてみました。

今回のコンテスト、投稿の Public 化 & 更新 OK という二点が面白いですね。5 月頭には一本くらい投稿したいと思いました。

2011年4月12日火曜日

「電子書籍 らくらくPACK」下書き — 第 2 回配信

昨日 (4/11)、「電子書籍 らくらくPACK」下書きの第二回が配信されました。同書については、過去記事をお読み下さい。

第二回の内容は「電子書籍を『読む』」です。同書がターゲットにしている EPUB リーダーが、iBooks (iOS 用) と Aldiko (Android 用) であることが分かります。ただし、出版までに時間があるので、アプリが変更される可能性はありです。

同書の筆者は、現在主流で質の高い EPUB リーダーは iBooks と Aldiko であると認識しているようですね。EPUB リーダーが増える昨今、こういう情報は (特に Android ユーザーには) 貴重なのではないでしょうか?

Google Apps から Blogger でブログ開設

akaato.com ドメインから Google Apps を使えるようにしたところで、ブログを開設してみます。利用するサービスは Blogger です。

ブログ開設

Blogger サイトに行きます。「無料でブログを始めよう」なんて書いてあります。

Blogger

Google アカウントに、Google Apps のメール・アドレスとパスワードを入力します。私の場合、メール・アドレスは「epub@akaato.com」になります。

ログインしたら、必要事項を入力してゆきます。10 分もしないうちに、ブログが作れます。

作ったブログの URL は「http://○○.blogspot.com」となります。しかし、せっかくドメインを取得したのですから、「http://your_domain.com」でブログを始めたくもありますよね。こういう独自ドメインでのブログ開設にも Blogger は対応しています。といっても、私は独自ドメインでブログを始めなかったのでやり方が分かりません。説明をしているウェブページを紹介しておきます。

解説用ページの紹介

一つブログを開設すれば、分からないことが沢山出てくるでしょう。公式チュートリアルの他、有志による説明ページが作られています。

Blogger の最新情報は、公式ブログ Blogger Buzz で発表されます。また、Blogger にはベータ機能を使うことのできる Blogger in draft というバージョンがあり、この draft 版で利用可能になった新機能は Blogger in Draft blog で発表されています。

ただし、両ブログとも英語で書かれています。日本人には少し敷居が高いですね。

クリボウさんという方が、Blogger の最新情報や使い方を説明したブログを作って下さっています。Blogger を始めたら、下記のブログをフィード・リーダーに登録しておくと良いでしょう。

Blogger を使っていて、分からないことがあったら、フォーラムに質問してみると良いでしょう。

Blogger 関連サービス

ブログを開始するとともに始めておくと良いサービスを紹介します。

日本国内の Blogger ブログの更新情報を集めているページです。このサービスに登録しておくと、貴方のページに「Japanese Bloggers Info」経由で誰かやって来るかもしれません。

なお、Blogger にはトラックバック機能がありません。「Japanese Bloggers Info」に登録しておくと、トラックバックを送信することができるようになります。

フィードを加工してくれるサービスです。記事投稿時に記事タイトルと URL を Twitter にツイートしたり、フィードの統計情報 (登録者数、フィードリーダー、クリックされた記事 etc.) をまとめる機能もあります。

Google が提供しているアクセス解析ツールです。Blogger にも簡易的なリアルタイム・アクセス解析機能がデフォールトで付いていますが、Google Analytics は高度なアクセス解析を行ないます。

おしまい

とりあえず、ドメインを取得して本ブログを (Google Apps 経由で) 作成するまでの流れを紹介しました。このブログは電子書籍 (特に ePub) に関するブログですが、Google Apps 経由でブログを開設したゆきがかり上、Google Apps の新機能についても書いてゆきます。どうぞ、よろしく。

2011年4月11日月曜日

Google Apps 版 Contacts が新インターフェースになりました

通常の Gmail で利用可能になっていた新インターフェースの Contacts が、Google Apps にもやって来ました。Gmail の Contacts からアクセス可能です。

Contacts - New Interface

新インターフェースの一番の魅力は、「ふりがな」を付けられる様になったことでしょう。この「ふりがな」は、ユーザーの検索の時にも使うことができます。

ref

Google Apps (無償版) 入門の入門

akaato.com ドメインを取って、Google Apps を始めました。

設定を一通り終えましたが、初めて使うサービスですので手さぐり状態です。私も初心者ですが、初心者なりに Google Apps の「入門の入門」記事を書いてみます。

コアサービス

Google Apps ではほぼ全ての Google サービスを使うことができます。その中でも、特に Google Apps で一括に設定できるコアなサービスがあります。

現在、そのコアなサービスは 6 つです。

  • Gmail
  • Google Calendar
  • Google Docs
  • Google Sites
  • Google Talk
  • Contacts

ダッシュボード

ダッシュボード (dashboard) に管理者アカウントでログインすると、使えるサービス一覧が表示されます。また、Google Apps 全体の設定を行なうことができます。

設定で重要なのは、ユーザー・アカウントの追加、グループの設定、コアサービスの設定の 3 つでしょう。

コア・サービスの設定は、ダッシュボードの「Service Settings」からサービスを選びます。

「Gmail」では、名前の表示を「姓、名」・「名、姓」で切り替えるオプションがあります。「Google Calendar」では、ドメイン外の人達にカレンダー情報を表示・改変させるオプションがあります。「Google Sites」には作ったページを Public にするオプションがあります。これらは一例です。詳しくは、実際に設定ページを開いてみて下さい。

コア・サービスへのログイン

コア・サービスへのログイン方法は 2 つあります。

1 つ目は、普通にサービスのログイン画面に行き、ユーザー名に「user@your_domain.com」と入力する方法です。

2 つ目は、Google Apps 用のログイン画面からログインする方法です。この場合、ユーザー名にドメインは入れません。つまり、ユーザー名は「user」と入力します。URL は以下の通りです:

コア・サービス以外へのログイン

普通にサービスのログイン画面に行き、ユーザー名に「user@your_domain.com」と入力すればログインできます。

参考サイト

2011年4月9日土曜日

「電子書籍 らくらくPACK」下書き無料公開

技術評論社は、2011 年 6 月に「電子書籍 らくらくPACK」という書籍を発売しようとしています。その発売に先駈けて、コンテンツの一部が無償配布されています。

上記ウェブページにアクセスして、名前とメールアドレスを送信すると、コンテンツをダウンロードすることができます。コンテンツは複数回に分けて配信される予定になっています。現在のスケジュールは以下の通りです (スケジュール通りなら、週明けに第二回の配信がありますね):

  • 3/28: (第一回) 電子書籍の基本を知ろう
  • 4/11: (第二回) 電子書籍を読んでみよう
  • 4/25: (第三回) 電子書籍作成の準備をしよう
  • 5/09: (第四回) 電子書籍を作ろう
  • 5/23: (第五回) 未定

書籍の内容

目次を読むところ、この書籍は三つの内容から成り立っているようです: 電子書籍の概説、Sigil による ePub 作成、テンプレートの紹介。

この中で目を引くのは「テンプレート」の存在です。どうやら、作者は良質の ePub 作成に足りないのは良質の素材とスタイルだと考えているようです。そこで、目的別の素材・スタイルを用意して「テンプレート」を作って配布するのでしょう。本書は、作者が自作した「テンプレート」の説明に一章が割かれています。

配布書籍を読む

ダウンロードしたファイルは zip で固められています。zip を解凍すると、ePub 形式・A4 の PDF・A5 の PDF と 3 種の電子書籍が現れます。

$ unzip ../ebook0325.zip
Archive:  ../ebook0325.zip
  inflating: 0325/第1回無料配信_0325.epub
  inflating: 0325/第1回無料配信A4_0325.pdf
  inflating: 0325/第1回無料配信A5_0325.pdf

iPad に ePub を入れて読むもよし、PC で PDF を読むもよし。環境に依存せず読むことができるでしょう。

配布形式について

発売前の書籍を、下書き・一部配布の形で公開するスタイルは面白いですね。予め書籍のレビューをもらうことができますし、宣伝効果も高いです。また、読者から発売前にフィードバックをもらえる可能性があります。そうすれば、誤りも少なくなりますし、文章を推敲することもできるでしょう。

こういうやり方を出版社が始めることに、電子書籍市場への明るい光を見る気がします。

関連サイト

2011年4月8日金曜日

ePub パックの Twitter アカウントをリストにしました

昨日、Toshiya TSURU さん作成の ePub pack (for Google Reader) を紹介しました。その記事の中で、Twitter フィードにいて次の様に書きました。

私はこのパックを登録した後、Twitter 関連のフィードを抜きました。理由は、Twitter の更新回数がブログの更新回数を大幅に上回っていて、ブログの記事を読むことが困難になったからです。代わりに、紹介されている Twitter アカウントを全てフォローすることで対処しました。

絳アト日記: Google Reader 用 ePub パック より引用

私と同じ様に 35 もの Twitter アカウントをフォローするとしたら、一仕事になるのではないかと思い Twitter のリストにまとめてみました。もし、よければご活用下さい。

それから、ePub パックの中には 7 つの「Twitter 検索」フィードが含まれています。これらの Twitter 検索のページへもリンクを張っておきます。

ウェブ・ブラウザーで上記リンクを辿ると、「この検索を保存」というボタンがあります。このボタンを押すと、Twitter クライアントから手軽に検索をかけることができます。

検索結果を Twitter でリスト化できるともっと楽になるのですが、そういう機能はないのでしょうか?

ともあれ、Twitter に関する事は Twitter クライアントに、ブログに関する事はフィード・リーダーに任す。という私針が立ちました。人によって情報集収のやり方は様々だと思うので、皆さんも色々試してみて下さい。この記事が、その試みの一助になれば幸いです。

2011年4月7日木曜日

Google Reader 用 ePub パック

Toshiya TSURU さんが、Google Reader 用の ePub パックを作って下さっています。

フィード・リーダーに Google Reader をお使いの方でしたら、「Subscribe」ボタン一発で、ePub に関する情報源を手に入れることができます。

EPUB パックの中身

EPUB パックには、2011 年 4 月 7 日現在、72 のフィードが登録されています。その内 35 のフィードが Twitter のタイムライン、7 つが Twitter Hashtag の検索フィードです。残る 30 がブログ系のフィードですね。

私はこのパックを登録した後、Twitter 関連のフィードを抜きました。理由は、Twitter の更新回数がブログの更新回数を大幅に上回っていて、ブログの記事を読むことが困難になったからです。代わりに、紹介されている Twitter アカウントを全てフォローすることで対処しました。

Google Reader に Twitter のフィードを入れておくと、後で Google Reader の「検索」機能が使えるというメリットがあるのですが、今回、私は可読性を重視しました。

ともあれ、EPUB 用のフィード・パックを作って下さった Toshiya TSURU さんに感謝です。

2011年4月5日火曜日

公開講座「電子書籍とウェブの表現力」開催日決定

公開講座「電子書籍とウェブの表現力」は、震災の影響により開催を延期していたそうですが、無事開催日が決定したとのことです。以下、イベント概要です。

仕様公開直後の ePub 3.0 の日本語組版について講議して下さるそうです。ePub に興味のある方は是非是非。

申込フォームへの入口は文字の学校公開講座 電子書籍とウェブの表現力のトップページにあります。

私は金欠状態なので、参加は控えようかと思案中です。。。

カウンター (1 週間目)

ブログを 3/27 に開始して、約一週間が経ちました。このブログの現状を書きます:

  • Feed Subscribers: 2
  • Twitter Follower: 1
  • Page View Count: 64

ページ・ビューは Blogger の統計機能の数字を参考にしました。このカウントには、最初の数日間、自分自身のページ・ビューもカウントしています。ですから実数は 50 程度でしょう。

一か月後には、これらの数字をもっと増やしたいものです。

2011年4月4日月曜日

EPUB3コンテスト開催 #epubcon

第一回「EPUB3コンテスト」が開催されます。

  • EPUB3コンテスト 第1回 - epubcafé
  • 目的: EPUB3についての正しい理解と、コンテンツの表示技術の向上
  • 内容: EPUB3で利用可能なCSSプロパティを使い、どんな作品を作り出せるか
  • 応募期間: 2011-04-01 〜 2011-05 末日
  • Twitter hashtag: #epubcon

具体的な内容は下記の通りです。

単純なレイアウトから、雑誌風の凝ったレイアウトまで、EPUB3でどこまで表現できるかを競います。EPUB3で利用可能なプロパティを利用していれば、縦書きにはこだわリません。著作権フリーの音声や映像の活用も歓迎です。

現時点では、EPUB3出版物を作成するのは難しいので、EPUB3出版物に含まれるEPUB content document (およびそこから参照されるCSS, SVG, MathML, JPEG, PNGなどのファイル)だけを対象とします。EPUB content documentとしてはHTMLとSVGがあります。

EPUB3コンテスト 第1回 - epubcafé より引用

主催がイースト株式会社、協賛がインプレス R&D、協力が日本電子出版協会。賞品は iPad2 WiFi 32GB モデルとのことです。

応募方法は、ePub 3 のドキュメントを作成して、コンテスト・ページから応募用リンクを辿り、必要事項を入力すればよいようです。

説明会

コンテストの概要説明と、EPUB content document について解説する説明会が開かれる予定です。

場所は代々木です。興味のある方は是非。

私は、4/5 は所用があり参加できませんが、4/12 は時間があるので参加しようと思っています。

2011年4月3日日曜日

Google Apps を始める 3 — Gmail の設定

復習

Google Apps を始める 1 — ValueDomain でドメイン取得akaato.com ドメインを取得しました。以後、akaato.com を貴方が取得したドメインに読み替えてお読み下さい。

Google Apps を始める 2 — Google Apps の登録 で akaato.com ドメインを Google Apps で使えるようにしました。

Gmail の設定

Google Apps の設定を終えただけでは、Gmail がまだ使えません。メール送受信のためには、MX レコードの設定を行ないます。MX は Mail eXchange の略で、メールの配送先を決定する時に使われる情報です。

Google Apps で Gmail を有効にする

Google Apps にログインして、ダッシュボードにアクセスします。

  1. Google Apps にアクセス
  2. 「ご登録済みの方はこちらからログイン」をクリック
  3. ドメインに「akaato.com」を入力、プルダウン・メニューで「このドメインを管理」を選択して「移動」ボタンをクリック
  4. ログイン画面が現れるので、Google Apps の管理者ユーザー名 (ドメインは不要) とパスワードを入力

ダッシュボードには「サービスの設定」と表示されています。

「メール」項目の「メールを有効にする」をクリックします。メールの設定方法がゴチャゴチャと出てきます。とりあえず、そのページを残したままにします。残りの設定は Value Domain で行ないます。Value Domain は別タブか別ウィンドウで開くとよいでしょう。

Value Domain で MX レコードの設定

Value Domain にログインし「DNSレコード/URL転送の変更」をクリックします。

「DNS 設定」の「設定フィールド」には、Google Apps の設定で書いた cname から始まる一行があるはずです。そこに追記する形で、以下のテキストをコピー & ペーストします。

mx aspmx.l.google.com. 10
mx alt1.aspmx.l.google.com. 20 
mx alt2.aspmx.l.google.com. 20 
mx aspmx2.googlemail.com. 30
mx aspmx3.googlemail.com. 30
mx aspmx4.googlemail.com. 30
mx aspmx5.googlemail.com. 30
txt @ v=spf1 include:_spf.google.com ~all

(この 8 行は Google Apps + 独自ドメインで自分だけのメールアドレス の設定をそのまま使わせてもらいました)

設定を保存したら、Google Apps に戻ります。

最後の一押し

Google Apps のページに戻ったら、「指定された手順を終了しました」ボタンをクリックします。以上で作業は終了です。

スクリーンショットの様に、最大 48 時間待つ必要があります。

Google Apps の Gmail 画面にアクセスする

Gmail にログインするには 2 通りの方法があります。

  1. 普通に Gmail のログイン画面に行きユーザー名とパスワードを入力する。ただし、この時、ユーザー名は「ユーザー名@akaato.com」と入力する
  2. http://mail.google.com/a/akaato.com にアクセスし、ユーザー名とパスワードを入力する。この時、ユーザー名にドメイン名は付けない (URL の末尾 akaato.com は貴方のドメイン名で置き換えて下さい)

Gmail にログインできたら、自分なりに設定をいじりましょう ;)

なお、Google Apps の Gmail は、一般の Gmail と比べて新機能の利用可能時期が遅れることがあります。

参考サイト

2011年4月2日土曜日

Google Apps を始める 2 — Google Apps の登録

Google Apps を始める 1 — ValueDomain でドメイン取得 の続きです。

復習: akaato.com というドメインを取得しました。

Google Apps 無料版を始める

本エントリーでは、Google Apps の無料版を始める手順を紹介します。

まず Google Apps のページにアクセスします。Google Apps には複数のラインナップがあります:

  • Google Apps
  • Google Apps for Business
  • Google Apps for Education
  • Google Apps for Government

個人で使う場合は、無料版の「Google Apps」を使います。注意すべきは、Google Apps のトップページは「Google Apps for Business」用のページになっていることです。

(画像をクリックすると拡大します)

サイドバーに「その他のラインナップ」という項目があります。その中から「Google Apps」をクリックします。

ページが遷移したら右上に「開始方法」というボタンが見つかります。それをクリックします。

ドメイン名の入力画面が現れます。自分が持っているドメイン名を入力します。私の場合、前回のエントリーakaato.com ドメインを取得したので、「akaato.com」と入力しました。ドメイン名を入力したら、「次へ進む」です。

Google Apps (無償版) の申し込み画面です。

「アカウント管理者」の情報を入力します。名・姓・メールアドレス・電話番号・国地域を入力します。これらは必須項目です。役職は個人利用の場合、入力しなくても構いません。次に「ドメインの DNS レコードを変更できない場合、組織で使用できる Google Apps の機能に影響する場合があることを理解します。」にチェックを入れます。

続けて「組織の情報」を入力します。私は組織名を「akaato」、タイプを「プライベート」、組織の規模を「6〜10」、組織内で現在メールアカウントを提供していますかに「いいえ」、Google のセールスチームのサポートはありましたかに「いいえ」と答えました。

入力を終えたら「次へ進む」を押します。

管理者アカウントを設定します。この項目は必須です。ユーザー名・パスワードを入力します。画像に表示された文字を入力して、利用規約に同意したら、「同意して設定を続ける」をクリックします。

Google Apps とドメインを結び付ける

今までの設定で、Google Apps に利用ドメインを教えました。しかし、ユーザーが他人のドメインを設定しようとしているのかどうかが Google には分かりません。そこで、貴方のドメイン (私の場合 akaato.com) が自分所有のドメインであることを証明します。

ダッシュボードが現れます。ダッシュボードとは、「akaato.com の CNAME レコードを変更」にチェックを入れて「次へ」進みます。「akaato.com」の部分はご自分のドメイン名で読み替えて下さい。

項目の 2 つ目にある文字列をコピーしておきます。ここでは仮に「googleffffffffffffffff」としましょう。

文字列をコピーしたら、Value Domain にログインします。この時 Google Apps のページは残して、別タブか別ウィンドウを開いて作業を進めると良いでしょう。

Value Domain にログインしたら、ユーザーコントロールパネルから「取得済みドメイン一覧 > DNSレコード/URL転送の変更」をクリックします (オレンジ色の部分のリンクです)。

DNS 設定画面です。ここに先程コピーした文字列を次の様に入力します。

cname googleffffffffffffffff google.com.

「googleffffffffffffffff」の部分は貴方の Google Apps が表示した文字列をお使い下さい。「google.com.」の最後に「.」(ピリオド) を忘れないよう気をつけて下さい。また空白は全て「半角スペース」を使います。

以上で Google Apps が貴方のドメインを認めてくれる様になったはずです。Google が確認作業を終えるには少々時間がかかります。気長に待ちましょう。

少し時間を置いて Google Apps のページに戻ります。

「http://googleffffffffffffffff.akaato.com」というリンクをクリックしてみます。http://www.google.com に飛べば OK です。「上記の手順が完了しました」をクリックします。

これで Google Apps を akaato.com (貴方のドメイン) で使うことが出来る様になりました。

次は Gmail の設定を行ないます。

参考サイト

2011年4月1日金曜日

CAS-UB — オンライン PDF/ePub 作成サービス

先日、「ePub3.0 標準化の行方」セミナーに参加しました。内容は以下の通りです:

  • 第一部: ePub 3.0 仕様の行方
  • 第二部: 紙と電子のハイブリッド出版を実現する汎用書籍編集・制作サービス
  • 第三部: 今後の計画とサービス体系

このうち、第一部の内容とセミナー全体の概要は過去エントリーに書きました。ご参照下さい。

本エントリーでは、第二部と第三部で紹介されたサービス「CAS-UB」の内容を紹介します。

CAS-UB

CAS-UB はオンライン型の文書編集サービスで、PDF と ePub を出力することができます。現在はアルファー版で、一般公開・テスト公開はしていないとのこと。今回のセミナーでは、その機能の一端を見せて頂き、今後の展望を伺いました。

現状

ePub の規格は公開されているため既に ePub 作成ソフトは幾種類も開発されている。しかし、販売流通系体が完成していない (特に日本)。そのため、ePub のみの販売は難しい。現実を鑑みれば、書籍と電子書籍の両方が同時に発売される様想が一定期間続くのではないか。

そのためには同じデータから書籍と電子書籍の両方を作れると便利。ただし、書籍と電子書籍には大きな隔たりがある:

解像度 縦横比 文字サイズ レイアウト ページ数
書籍 不変 不変 不変 崩れない 変化しない
電子書籍 端末依存 端末依存 可変 流動的 不定

現在、書籍作成で最もよく使われている (?) ツールは Adobe InDesign。このツールは書籍用に PDF を作成する。また、ePub 出力機能もある。しかし、InDesign の ePub 出力機能は不完全 (レイアウトが崩れる、文脈が入れ替わる)。上記の電子書籍 (ePub) への対応は遅れていると言わざるを得ない。

CAS-UB が解決する
  • 文章構造とスタイルの分離を明確化
  • PDF を作成
  • ePub もスタイルを変更して作成
  • 普通に HTML で出来ることは過不足なく行なう
  • 対応: 強制改ページ・整形済みブロック・注釈・リンクとアンカー・ID と参照・索引・ルビ・インクルード
  • 自動作成: 目次・表目次・図目次・索引・後注・章/表/図番号 (一部機能は PDF 版のみ実装済)

CAS-UB のクラウド指向は次の通り:

  • ブラウザーのみで共同作業 (Google Docs みたい)
  • 履歴の保存・参照 (現在は Subversion を利用)
  • データはデータ・センター上 (現在は Nifty を利用)
  • バックアップ/リストア対応 (ローカル PC にデータをダウンロード/アップロード)

今後の計画とサービス体系

「今後の展望」で特に気に入ったのは以下の項目です。

  • 高品質フォントの組み込み
  • 共同編集機能の強化
  • ePub 3.0 出力
  • 英語対応 (海外展開を視野に)

CAS-UB は商用サービスということで、予定としては二種類のサービス料金を用意するとのことです。

対象 最大人数 データ領域 料金 利用制限
商業出版社、企業、団体 10 人 50 GB 約 70 万円/年 なし
グループ、NPO 5 人 25 GB 約 25 万円/年 あり

リリース時期は、企業向けが 2011 年 6 月・個人向けが 2011 年内とのことです。

感想

実際に使ったわけではないので、コメントは難しいです。私自身は LaTeX を嗜み、ウェブ・ページは HTML 要素直書き派なので、WYSIWYG 環境は (Google Docs 含めて) もどかしさを感じます。そういう意味でも、私は CAS-UB の対象者から外れてコメントには不適切者だと思います。LaTeX をベースにして、PDF と ePub を作るウェブ・サービスがあると一番良いのですが、ニッチ過ぎるのでしょうね。

サービス体系に対しては、「グループ向け」の対象者が定まっていない様に思いました。個人というと、高校生の部活や大学生サークルを思い浮かべますが、彼らが本を作るのに年間十万円以上の出費をすると思えません。まして試用版なしでは厳しいと思います。個人で本を書いている人は、「グループ向け」は使わないでしょう。彼らはおそらく契約している出版社からサービス提供を受けるのではないでしょうか? ツールが良くても、このままではマーケティングに失敗する気がします。

素人考えですが、CAS-UB から ePub を販売できないものでしょうか? サービス提供のため、既に課金システムが動いているわけですから難しくないはずです。個人向けには、Apple がやっている様に、電子書籍代の 30% を取る様にすれば利用者のハードルも下がるでしょう。そして PDF 版をオプションにして、年間契約にする方が良いのではないでしょうか?

最後に InDesign の ePub 不具合について。セミナーの中で、「電子書籍の作り方」という本が、InDesign を使って ePub を作るための複雑な手順 (各種ツールを使う) を説明している と紹介されていました。この本は、先日読み終わったばかりなので、近いうちにレビューを書きます。

電子書籍の作り方 (PCポケットカルチャー)
境 祐司

477414505X
技術評論社 2010-12-09
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